糖尿病問診票ダウンロード

糖尿病診察をご希望で初めて当院をご利用になる方は、あらかじめ問診票にご記入の上お持ち頂きますと診察までの流れがスムーズになります。
よろしければ下記のボタンをクリックして表示された問診票を印刷してご記入下さい。

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糖尿病Q&A

糖尿病とはどんな病気ですか?

様々な要因で、膵臓から分泌されるインスリンという血糖を調節するホルモンの働きに異常を来たし、持続的に高血糖状態になり、放置すると多彩な合併症という余病を併発する病気です。

日本には、2013年現在、糖尿病が強く疑われる人が950万人、予備軍が約1100万人いるとされ、成人の5人に1人の割合になります。

では、診断はどのようにして行うのですか?

一般的には、血液検査を行い、空腹時血糖が126mg/dl以上かつヘモグロビンA1cが6.5%以上か、食事をするしないに関わらず、血糖値が200mg以上であれば、理由のいかんに関わらず、症状のあるなしに関わらず、糖尿病の診断です。

また、ヘモグロビンA1cが5.8~6.4%の方は、糖尿病の可能性を否定できない人であり、精密検査が必要です。

放置すると合併症がおきると聞きますがそれはどのようなものですか?

糖尿病特有の合併症として、1.足の壊疽の原因となる糖尿病性末梢神経障害、2.成人の失明の原因の第1位である糖尿病性網膜症、3.新しく人工透析治療を受ける原因の第1位である糖尿病性腎症があります。また動脈硬化性の病気である心筋梗塞や脳梗塞を併発しやすくなり認知症リスクも高まります。

では、治療はどのようにすればよいのですか?

1.食事治療、2.運動治療、3.薬物治療を行い、4.定期受診で軌道修正を行うことが治療の4本柱です。色々なタイプの糖尿病がありますので、それに合わせたオーダーメイド治療を、専門の医師、看護師、栄養士の指導のもとに正しい方法で行うことが重要です。

肥満はどうして危険なのですか?

肥満、特に内臓肥満は放置すると、糖尿病、高脂血症、高血圧を合併するメタボリックシンドロームと言う状態になります。お腹周りが男性で85cm、女性で90cm以上の人は要注意です。

放置すると、心筋梗塞や脳梗塞の病気になる確率が高くなります。だから、肥満は危険なのです。

糖尿病と上手に向き合う8ヶ条

  1. 糖尿病の基本を知る。
  2. 自分の気持ちを主治医に伝える(2人3脚)
  3. 糖尿病を自分のものとして受け止める。
  4. まず簡単な目標を立て、やってみる。
  5. 自分を褒める。
  6. 周囲の人(家族、友人、同僚)を味方にする。
  7. 同じ立場の友を得る(友の会など)。
  8. 笑顔や笑いの多い生活を心がける。

糖尿病で受診される方へ

糖尿病は継続的な自己管理(セルフコントロール)が効果的な病気と考えられていますが、一般的に糖尿病を自分のものとして受け入れるには、長い時間がかかりますので、余り焦らないで下さい。まずは病気についての理解を深めていっていただきたいと思います。

生活習慣をいきなり変えるのは大変ですので、実践しやすい身近なところから始められると良いと思います。
「糖尿病という荷物」を一人だけで持つのは大変ですので、主治医として患者様の気持ちに寄り添い、ご本人の糖尿病の病態と最も適切な治療法について理解と納得をしていただきながら二人三脚で治療を続けていきたいと思います。
今後、生活上の問題や治療に関連した不安、疑問などどうぞ気軽にお話し下さい。

腎臓のSOS 微量アルブミン尿!

高血糖で腎臓に過度な負担がかかっていると、蛋白尿がみられない段階で早期にアルブミン尿が増加してきます。

腎症の早期発見と経過をみていく上で、とても大切な検査です。

30~299mg/gcrに増加すると早期腎症のステージ2に進みますが、血糖コントロールを良くすれば、ステージ1の前腎症期に改善できます。

血圧を正常にコントロールすることも、とても大切です。

アルブミン尿は、脳梗塞、心筋梗塞の頻度と関連しますので、低く保つと安心です。

低血糖の症状と対処法

症状

低血糖とは、血糖値が70mg/dl未満になった状態です。低血糖は、インスリン分泌を刺激する内服薬やインスリン注射の量が多すぎた場合、また内服薬やインスリンの量は変わらなくても、食事量が少なかったり、運動量が多い場合におこります。 軽症(血糖70~55mg/dl)では、異常な空腹感、冷や汗、動悸、振るえなどの自律神経症状が主です。 中等度(血糖50~30mg/dl)では、眠気、強い脱力感、眩暈、集中力の低下など、中枢神経症状が見られます。

高度(血糖30mg/dl以下)では、意識もうろう、痙攣など、大脳機能低下症状が見られます。

対処法

ブドウ糖または砂糖10~20g(ジュース200ml程度でも可)を直ぐに摂取し15~20分程度安静にしていると症状が治まります。

シックデイとその対策

糖尿病の患者さんが、他の病気にかかった状態をシックデイ(Sick Day)と呼びます。感染症は血糖値を色々な程度に上げます。
シックデイで多くみられる病気としては、呼吸器感染症と消化器病があります。

シックデイのときは、食事がどの程度摂れるかを考えて、内服薬やインスリン注射をどうするかを判断することが大切です。
迷った場合は、早めに医師と連絡を取り指示を受けましょう。

基本は、脱水予防に努めることです。

フットケア 日常生活の注意事項(感染や壊疽予防のため)

  1. こまめに足を観察
    白癬、タコ、うおのめ、傷の早期発見
  2. 足の清潔を保つ
    泡でやさしく洗い、柔らかなタオルで丁寧に拭く
  3. 保温・保湿を保つ
    油分のある保湿クリームを塗る
  4. 動脈硬化を進行させない
    食生活・喫煙週間の改善
  5. 爪の手入れを正しく
    深爪はしない。爪の角を皮膚に食い込ませない
  6. サイズの合った靴を選ぶ
    夕方の足にフィットするもの
  7. やけどに注意
    湯たんぽ、低温やけどに注意
  8. 異常があったら受診
    白癬、タコの対応注意

外来インスリン導入

インスリン治療の必要な場合、当院では熟練の看護師が外来にて、わかりやすくインスリン注射の指導を行っております。

その場で、ご本人に実践していただき、当日より、家で一人で自信を持ってできるようにわかりやすいマニュアルを使用して行っております。

2型糖尿病で、食事・運動・投薬治療で血糖コントロール不十分な場合、早期にインスリン治療に切り替え、糖毒性を解除するとインスリン治療を終了することができる場合が少なからずあります。

糖尿病の分類

1型・2型その他の特定の機序、疾患によるもの妊娠糖尿病の4つに分類されます。

1型糖尿病

膵臓のランネルハンス島にあるインスリンを作るベーター細胞が死滅されることで起こり、ベーター細胞を攻撃する自己抗体を1A型、自己抗体を認めないタイプは1B型です。

2型糖尿病

糖尿病の95%を占め、遺伝的にインスリンの分泌量が少ないことに加え、肥満、過食などの生活習慣病が加わり発症します。初期には、むしろインスリン過分泌の時期があり、動脈硬化が進みやすいとされています。

妊娠糖尿病

妊娠中に増加するエストロゲンなどのホルモンにより、血糖値が上昇し糖尿病を発症することがあります。

糖尿病の症状

初期には、ほとんど自覚症状が見られずかなり血糖値が高くても非常に気付きにくいものです。しかし、合併症は着実に発症し、進行していきます。

中期症状は、喉が渇く、トイレが近い、体がだるい、足がつるなどです。

進行期には、三大合併症による視力障害、下肢の壊疽、尿毒症などの症状がでやすくなりますので早期の診断が大切です。

糖尿病性神経障害

足先や手先のしびれ感、灼熱感、痛みなどの知覚神経障害や心臓神経障害、消化管の運動障害(便秘、下痢)、起立性低血圧、EDなどの自律神経障害がみられます。

糖尿病性網膜症

網膜の血管が詰まったり、破れたりし出血しやすくなり、最悪の場合失明に至ります。

早期に眼科受診がとても大切です。

糖尿病性腎症

腎臓内の糸球体という毛細血管壁が厚くなり、内圧が上昇し蛋白が漏れたり、腎機能が低下したりします。

早期診断に微量アルブミン量の検査がとても役にたちます。

その他の合併症

動脈硬化症

血糖が高い期間が続くと太い血管も障害されます。全身の血管に悪玉コレステロールとそれを処理しようとした細胞の死骸がかゆ状に塊を作りこれを粥腫・プラークといいます。

これにより、脳梗塞、心筋梗塞、下肢の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症を合併します。

危険因子として、糖尿病の他に高血圧、高脂血症、喫煙、男性、家族歴が上げられます。

閉塞性動脈硬化症と糖尿病性神経障害が進行すると、足に壊疽が生じ下肢の切断に至ります。

当院では、動脈硬化を早期にチェックするために、血管年齢や下肢の血流量をCAVI .ABI法で簡単に測定しております。

感染症

高血糖状態では、全身の免疫力が落ちます。感染症を引き起こしやすいため、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンを積極的に受けると良いです。

歯周病も悪化しやすく放置すると糖尿病事態が悪化したり、他の病気の原因にもなり歯科医を受診してコントロールすることが大切です。

HbA1c検査

1~2ケ月前の血糖の平均値を反映します。5.6%未満が正常です。6.5%以上で糖尿病と診断します。

合併症を起こさない為には、7.0%未満を保つのが目標となります。

食事療法

治療を行う上で、最も重要なポイントは食事療法です。

  1. 適正なエネルギー量の食事を食べる
  2. 栄養バランスがよい食事を食べる
  3. 規則正しく、三食きちんと食べる(間食はできるだけ避ける)

エネルギー量は、標準体重×25~30kcalが目安となります。肥満、生活活動、合併症などを考慮して主治医が決めます。当院では、ベテランの管理栄養士が、ご本人の食習慣やライフスタイルを尊重して実践しやすい栄養指導を行っています。

運動療法

運動療法は、1日平均150キロカロリーを目標に、ウォーキング(インターバル速歩が特に有効)、軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動をお勧めします。
運動効果は2日間続きますので、1週間に3回から徐々にはじめ長く続けられるものが良いでしょう。

運動療法の効果

  1. 運動により、体内のブドウ糖が消費され、血糖値が下がる。
  2. インスリンに対する筋肉細胞の感受性が高まり、血糖コントロールが良好になる。
  3. 血圧が低下し血液の循環が良くなる。
  4. 脂肪を消費し、燃焼させやすい体質となり、効果的な動脈硬化の予防となる。
  5. 心肺機能を高め、脳・心臓血管の病気を予防・改善する。
  6. 運動によるカロリーの消費により、体重の減少が期待できる。
  7. 足腰が強くなり骨量低下や老化を予防することが出来る。
  8. ストレスが解消され気分爽快になる。
  9. 基礎体力がつき、身体の動きが楽になることで、日常生活のQOLが上がる。

薬物療法

薬物療法のポイントは、決して自分の判断で薬を飲んだり飲まなかったりしないことです。

規則正しい生活を送り、適切に食事を摂り、規則正しく薬を用いることが極めて重要です。

糖尿病のお薬、インスリンは、一度使い始めると一生使い続けなくてはならないものではありません。

血糖コントロールをつけるためにそのときその時で、一番よいお薬の使い方について、主治医の先生とよく相談しながら続けていくことが大切です。